ぶらり ひとり旅 三条、出雲崎、寺泊、弥彦■
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ぶらり ひとり旅 三条、出雲崎、寺泊、弥彦(2010年7月3日)
7月1日、2日と仕事で新潟県の三条市に出かけたが、その翌日は仕事の予定が入っていなかったので、三条市でもう一泊して、翌日夕方、新潟空港から飛び立つまでの間、「ぶらり ひとり旅」を楽しむことにした。
とりあえずの目的地を寺泊(てらどまり)と定める。
もう20年も、ひょっとしたら30年以上も前に、たしか水上勉の小説か随筆かに出てきた地名で、とても強く印象に残っていて、機会があればぜひ一度訪ねてみたいと、ずっと思っていたところだ。
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地図を見ると、寺泊の近くに弥彦という、これもどこかで聞き覚えのある地名があるので、そこにも行くことにする。
友人にこの旅の話をしたら、その近くに出雲崎という、その昔、良寛が暮らしていた、とてもいいところがあるので、そこにも行ってみたらとすすめられる。
そこで、時刻表を調べてみると、JR弥彦線の燕三条・吉田間や吉田・弥彦間は1〜2時間に1本程度、越後線の吉田・寺泊・出雲崎間にいたっては午後は2〜3時間に1本しか列車の便がないことがわかる。それに出雲崎は、寺泊から弥彦とは反対方向にあるので、今回はあきらめて次回の楽しみにとっておくことにする。
列車の便数が極端に少ないなかで、寺泊と弥彦の2か所をうまく回って、周辺をゆっくりと散策する時間がとれるかどうかが心配だったが、ネットで条件をいろいろと変えながら検索した結果、うまい具合に、朝7時半に燕三条駅で列車に乗れば、寺泊で3時間ほど、弥彦で3時間半近く時間をとることができるという「経路」を探し出すことができた。次のようなものである。
7時29分発 燕三条―(弥彦線)→7時42分着 吉田 7時43分発―(越後線)→7時58分着 寺泊
11時7分発 寺泊―(越後線)→11時23分着 吉田 12時38分発―(弥彦線)→12時46分着 弥彦
16時10分発 弥彦―(弥彦線)→16時19分着 吉田 16時27分発―(越後線)→17時16分着 新潟
という風に綿密に計画を練ってのぞんだ旅だったが、結論から先に言うと1日・2日と仕事でお世話になった三条市と三条市中央公民館のはからいで、中央公民館の長橋さんが休日にもかかわらず車で案内してくれることになり、出雲崎、寺泊、弥彦の3か所とも巡れることになった、のである!!■
2日の夜は燕三条駅近くのKホテルに泊まる。3日は、長橋さんは朝9時半に迎えにきてくれることになっていたので、朝早くに起きて、ホテルから歩いて10分ほどのところにある信濃川にかかる石上大橋まで行き、周辺を散策。そのあと、燕三条駅周辺も含めて2時間ほど散歩して、信濃川の景色や鉄塔や野草などの写真を撮った。

(左)信濃川 (中)鉄塔 (右)アカツメグサ(赤詰草)
(右)弥彦線は全車、2両編成のワンマンカーだ。
三条市を東西に流れる五十嵐(いからし)川は、平成16年(2004年)7月13日の集中豪雨で堤防が決壊して、市街地の多くが浸水し、9名が亡くなるなど、大きな被害を被ったとのこと。
その後、国による災害復旧助成事業で川の改修や橋の架け替えなどが行われ、昨年、破堤箇所に慰霊碑が設置され、周辺が記念公園として整備されたのだという。写真は同公園内にある説明板。
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長橋さんが次に案内してくれたのが、三条市内南西部のしらさぎ森林公園の中にある花菖蒲園。折しも「花菖蒲まつり」の真っ最中で、2万株の花菖蒲が見頃を迎えていて、とてもきれいだった。
そのあと、車は進路を西にとり、三条市を出て、長岡市に入る。進路を少しずつ南西方向に変えながら、一路、出雲崎を目指す。■
お昼前に良寛記念館に着き、入館して、良寛が書いた書画や愛用の遺品を観賞する。
(左)風光絶景の地、虎岸が丘に建つ良寛記念館の正門。
(右)良寛記念館のすぐそばにある良寛と夕日の丘公園。「にいがた景勝百選一位当選の地」の碑が建れられていて、ここから見る夕日は、まさに絶景とか。お天気がよければ、正面の海に浮かぶ佐渡島が見えるのに、当日はあいにくの曇り空。残念ながら見ることはかなわなかった。
(左)夕日の丘公園に建つ、良寛と子どもの碑。
(右)夕日の丘公園では、ハマナスの実が赤く色づいていた。
良寛記念館の近くにある道の駅「天領の里」の物産館に立ち寄って、お土産に越後名産 笹飴、青ぶどうの干しぶどう、海の塩などを買う。
あとで知ったことだが、笹飴は夏目漱石の『坊ちゃん』に出てくる清(きよ)の好物だったそうだ。
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豪雪と雁木で有名な高田で作られていました
そのあと、海沿いの道「北陸道」を北北東に向かって車を走らせ、お昼過ぎにお目当ての寺泊にたどり着く。
ところが、寺泊には水上勉の小説の「荒涼たる漁師町」というおもかげはまったくなく、車が頻繁に行き交う国道沿いには「魚のアメ横」と名付けられた水産会社の土産物店や飲食店がズラリと建ち並び、広い駐車場には観光バスや自家用車が列をなし、日帰りで海の幸を求める買い物客であふれる一大観光スポットとなっていた。
長橋さんの話によると、1931年に完成した信濃川の「大河津(おおこおづ)分水路」から流れ出る大量の土砂の堆積で、寺泊の海岸は年々海に向かって迫り出しているのだという。古くからある海の家や浜茶屋から海岸線まで、今は延々と砂浜が続いていて、海からは遠く離れてしまっている。現在、海辺の近くに新しい海の家を建設中だとか。
「みなと公園」に車を止めて、海に向かって伸びる堤防をずいぶんと歩いて堤防の先まで行くと、佐渡はかすんで見えなかったが、弥彦の山々を遠くにのぞみ見ることができた。
(左)分水路から流れ出た土砂でできたキメ細かな砂地に、ハマハコベがかれんな花をつけていた。
(右)公園のあちこちにハマナスの花が咲いていた。
「魚のアメ横」で遅めの昼食をとったあと、最後の目標地、弥彦を目指す。■
途中、良寛が一時期過ごした草庵「五合庵」のある国上山(くがみやま)に立ち寄る。帰路、千眼堂吊橋を渡って、朝日山展望台にまで足を延ばす。
(左)五合庵。良寛が47〜48歳のころから10年あまりを過ごした。間口2間、奥行き9尺、広さ4.5坪の萱葺きの草庵である。
(右)朝日山展望台。眼下に越後平野が広がる。晴れていれば、遠くに越後三山(八海山、越後駒ヶ岳、中ノ岳)を望むことができるという。
弥彦神社に行く前に、車で弥彦山の山頂までのぼり、弥彦山頂公園から日本海を遠望する。
(左)弥彦山頂公園からの眺め。晴れていれば、眼前に佐渡島を望むことができたのに。残念!!
(右)弥彦山頂付近にもハマナスが咲き競っていた。
2時半過ぎに、最終目的地の彌彦神社に到着。
(上左)彌彦神社 一の鳥居
(上右)二の鳥居
(下)拝殿
うっそうとした木々に包まれて、厳粛な雰囲気が漂っていた。
駐車場のそばの売店で「こしひかりのアイスクリーム」を売っていたので、買って食べる。
吉田駅まで送っていただく時間にはまだ少し余裕があったので、駅舎がユニークだという情報を得ていたJR弥彦駅まで歩いて行き、写真に収める。弥彦村のデザインマンホールも見つけたので、それも撮る。
(左)JR弥彦駅。彌彦神社の本殿を模した寺社造りになっている。
(右)弥彦村のデザインマンホール。弥彦山、弥彦ロープウェイ、競輪などがあしらわれている。
そのあと、車でJR吉田駅まで送っていただいて、そこで長橋さんと別れる。
お仕事で大変お疲れのところ、せっかくの休日を棒に振って、ほぼ一日付き合っていただき、いろんなところを案内していただいた長橋さんに感謝、感謝である。
JR吉田駅で、当初の予定通り17時16分発の電車に乗り、新潟駅に向かう。
新潟駅で、新潟空港行きのバス乗り場を探し当てるの手間取って、あやうく予定のバスに乗り遅れそうになるというハプニングもあったが、仕事に旅にと、とても充実した3日間であった。
飛行機の上から雲海に沈んでいく夕日を眺めることができたのも、とても幸せなことであった。■
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